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地学基礎⑰:人間活動による環境変化

困るちさまる ちさまる

最近、夏が暑すぎたり、大雨が増えたりしている気がする…。これって「地球温暖化」のせいかな?
でも、「オゾン層破壊」と「温暖化」って何が違うんだろう? どっちも空気が汚れて起きるイメージだけど…。
共通テストでもよく狙われるこの2つの違い、今のうちにスッキリ整理しておきたいな! PON!

1. 地球温暖化(メカニズムと原因物質)

地球の平均気温が長期的に上昇する現象です。その主因は、人間活動によって大気中に放出された温室効果ガスの増加です。

分析するコレクト コレクトの重要解説:温室効果の正体

【仕組み】
温室効果ガスは、太陽からの「可視光線(短波放射)」は通しますが、地表面から宇宙へ逃げていく「赤外線(長波放射)」を吸収し、地表へ再放射して熱を閉じ込めます。

【主な原因物質】
1. 二酸化炭素($\text{CO}_2$): 化石燃料(石油・石炭)の燃焼や森林破壊によって増加。温暖化への寄与度が最も大きい。
2. メタン($\text{CH}_4$): 牛のゲップや水田、永久凍土の融解などから発生。$\text{CO}_2$よりも強力な温室効果を持つ。
3. フロン類: 冷却材などに使われる人工物質。強力な温室効果を持つ。

2. オゾン層の破壊(温暖化とは別物!)

成層圏(高度20〜30km)にあるオゾン層が薄くなり、有害な紫外線が地表に降り注ぐ現象です。特に南極上空でオゾン層に穴が開いたような状態をオゾンホールと呼びます。

警告するコレクト コレクトの注意点:混同しやすいポイント

2022年の共通テストでも問われましたが、「オゾン層破壊」と「地球温暖化」は全く別の現象です。

  • 原因物質: 人工的に作られたフロンガス(CFCなど)
    フロンに含まれる塩素原子が、成層圏でオゾン($\text{O}_3$)を次々と分解してしまいます。
  • 影響: 有害な紫外線が増加し、皮膚がんや白内障、生態系への悪影響を引き起こします。
    (※「オゾン層が壊れて暑くなる」というのは間違いです!)
  • 対策: モントリオール議定書により、特定フロンの生産・使用が規制されました。

3. 酸性雨(さんせいう)

化石燃料の燃焼によって発生した硫黄酸化物($\text{SO}_x$)や窒素酸化物($\text{NO}_x$)が、大気中で硫酸や硝酸に変化して雨に溶け込み、強い酸性(pH5.6以下)を示す雨のことです。

4. 砂漠化

もともと植物が生育していた土地が、不毛の地へと変化する現象です。アフリカのサヘル地域などで深刻化しています。

5. 地球環境システム(フィードバック)

地球の環境(気圏・水圏・地圏・生物圏)は互いに密接に関わっており、ある変化が次の変化を引き起こし、それが元の変化をさらに増幅(または抑制)させることがあります。これをフィードバックと呼びます。

【正のフィードバック(変化を加速させる)の例:アイス・アルベド・フィードバック】
気温上昇 $\rightarrow$ 氷河や海氷が融ける $\rightarrow$ 地表の白い部分(反射率=アルベドが高い)が減り、黒い海や地面(吸収率が高い)が増える $\rightarrow$ 太陽光をより多く吸収する $\rightarrow$ さらに気温が上昇する。

ちさまると挑戦! 環境問題の区別

試験に挑むちさまる ちさまる

「温暖化」と「オゾン層」の違い、ここが一番の間違いポイントなんだって! 問題を解いて頭の中を整理しよう!

【例題1】環境問題の原因と影響(2022年 共通テスト類題)

地球環境問題とその原因物質、および影響の組み合わせとして最も適当なものを1つ選べ。

  1. 問題:地球温暖化 原因:フロンガス 影響:紫外線の増加による皮膚がんの増加
  2. 問題:オゾン層の破壊 原因:二酸化炭素 影響:赤外線の吸収による気温上昇
  3. 問題:地球温暖化 原因:二酸化炭素 影響:海水の熱膨張や氷床融解による海面上昇
  4. 問題:オゾン層の破壊 原因:窒素酸化物 影響:酸性雨による森林の立ち枯れ
解答と解説を見る

【解答】 3

【解説】
1は誤り。フロンガスによる紫外線増加は「オゾン層の破壊」です。(※フロンは温室効果もありますが、紫外線を増やすのはオゾン破壊の結果です)。
2は誤り。二酸化炭素による気温上昇は「地球温暖化」です。
3は正解。温暖化により海水温が上がって体積が増える(熱膨張)ことと、陸上の氷が融けることで、海面が上昇します。
4は誤り。窒素酸化物による酸性雨の説明です。

【例題2】地球環境のフィードバック(思考力)

ある原因で地球の寒冷化が始まったとき、その寒冷化をさらに加速させる(正のフィードバック)現象として適当なものを1つ選べ。

  1. 寒冷化により海水温が下がり、海水への二酸化炭素の溶解量が増加して、大気中の温室効果ガスが減少する。
  2. 寒冷化により陸上の氷床が拡大し、太陽放射の反射率(アルベド)が増加して、地表が吸収する熱エネルギーが減少する。
  3. 寒冷化により植物の光合成活動が低下し、大気中の二酸化炭素の吸収量が減少する。
  4. 寒冷化により大気中の水蒸気量が減少し、雲ができにくくなって、地表に届く太陽放射量が増加する。
解答と解説を見る

【解答】 2

【解説】
1は「さらに寒冷化させる」要因ですが、溶解度の化学的な話です。フィードバックとして最も代表的なのは2の「アイス・アルベド・フィードバック」です。氷が増える→白くて反射する→熱を吸収しない→もっと寒くなる、という連鎖です。
3は、CO2が減らなくなる(増える)ため、寒冷化を「抑制」する(負のフィードバック)方向に働きます。
4は、日射が増えるため、寒冷化を「抑制」する方向に働きます。

マルを出すちさまる ちさまるの総仕上げ! 練習問題

最後は記述問題にも挑戦! 「メカニズムの違い」を言葉で説明できるようになれば完璧だよ!

問1(選択・基本)
酸性雨の主な原因物質の組み合わせとして正しいものを選べ。

  1. フロンガス と 二酸化炭素
  2. メタン と 硫黄酸化物
  3. 硫黄酸化物 と 窒素酸化物
  4. 窒素酸化物 と フロンガス

問2(正誤判定・標準)
次の文章の正誤を判定せよ。
「オゾン層は、太陽からの有害な紫外線を吸収する役割を果たしている。フロンガスなどが成層圏に達すると、塩素原子が触媒となってオゾンを分解し、オゾンホールを形成する。」

教壇に立つコレクト コレクトからの挑戦状(国公立大 二次試験レベル)

問3(記述・発展)
「温室効果」とはどのような現象か。「可視光線」「赤外線」「吸収・再放射」という3つの語句を用いて、大気が地表の熱を逃さない仕組みを60字以内で説明せよ。

練習問題の解答と解説

問1:iii
【解説】酸性雨の原因は、化石燃料の燃焼などで出る硫黄酸化物($SO_x$)と窒素酸化物($NO_x$)です。

問2:正しい
【解説】オゾン層破壊の正確なメカニズムです。フロンから遊離した塩素原子1つが、数万個のオゾン分子を連鎖的に破壊します。

問3:解答例
大気が太陽からの可視光線は透過させるが、地表からの赤外線を吸収・再放射し、熱を地表付近に留める現象。(52字)
【解説】地球温暖化を理解する上で最も重要な定義です。「太陽の光(可視光)は通す」「地球の熱(赤外線)は通さない」という波長による性質の違いを明確に記述することがポイントです。