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地学基礎③:プレートと地学現象(プレートテクトニクス②)

決意するちさまる ちさまる

プレートが動いていることは分かったけど、その結果地球で何が起きるんだろう?
実は、地震や火山、高い山脈ができるのも、さらには地下深くで「岩石の性質が変わる」のも、ぜーんぶプレートの動きが原因なんだって! 今回はプレート境界のダイナミックな世界を徹底解剖するよ。気合を入れていこう! PON!

1. プレートテクトニクスが引き起こす地学現象

地球の表層を覆う十数枚の硬い岩盤(リソスフェア)が、マントル対流に乗ってそれぞれ異なる方向へ移動する考え方をプレートテクトニクスと呼びます。プレート同士がぶつかり、離れ、すれ違う「境界」では、莫大なエネルギーが解放され、地震・火山活動・造山運動(山脈の形成)など、あらゆる地学現象が集中して発生します。

2. プレート境界の種類と地形

プレートの境界は、その動き方によって大きく3つのタイプに分類されます。共通テストでは「境界の種類」「代表的な地形」「具体例(場所)」を結びつける問題が頻出です。

地図を分析するコレクト コレクトの地図解析:3つの境界

① 発散境界(遠ざかる境界)
マントルが上昇し、新しいプレートが誕生して左右に広がっていく場所です。
海底では海嶺(大西洋中央海嶺など)と呼ばれる巨大な海底山脈が形成され、玄武岩質のマグマが噴出します。陸上でプレートが裂けている場所には地溝(アフリカ大地溝帯や、アイスランドのギャオ)が形成されます。

② 収束境界(近づく境界)
プレート同士がぶつかる場所で、さらに2パターンに分かれます。

  • 沈み込み帯:密度の大きい海洋プレートが、大陸プレート(または別の海洋プレート)の下に沈み込む場所。深い溝である海溝(日本海溝、マリアナ海溝など)や、マグマの発生に伴う島弧(火山列)が形成されます。
  • 衝突帯:大陸プレート同士がぶつかり、どちらも密度が小さいため沈み込めず、激しく押し合って隆起する場所。大山脈(ヒマラヤ山脈、アルプス山脈など)が形成されます。ここでは火山活動はほとんど起こりません。

③ すれ違う境界(保守型境界)
プレートが互いに水平にすれ違う場所です。プレートの生成も消滅も起こりません。海嶺をズタズタに分断するトランスフォーム断層が代表的で、陸上に現れたものとしてアメリカのサンアンドレアス断層が極めて有名です。

教壇に立つコレクト コレクトの構造解析:断層の種類と力の向き(2022年共通テスト出題)

プレート運動によって地層に力が加わると、岩盤が割れてズレが生じます(断層)。どのような力が働いたかは、断層面を境にした「上盤(上側の岩盤)」と「下盤(下側の岩盤)」のズレ方を見ることで判別できます。共通テストでは、図から力を読み取る問題が頻出です。

  • 正断層(せいだんそう): 左右に引っ張る力(張力)が働き、断層面に沿って上盤が「ずり落ちる」断層。海嶺などの発散境界でよく見られます。
  • 逆断層(ぎゃくだんそう): 左右から押し合う力(圧縮力)が働き、上盤が「のし上がる」断層。海溝や衝突帯などの収束境界(日本列島など)でよく見られ、巨大地震の原因となります。
  • 横ずれ断層: 水平方向にすれ違う力(せん断力)が働き、水平にズレる断層。トランスフォーム断層などがこれにあたります。

3. 地震の分布と地形

世界で発生する地震の震央(震源の真上の地表)を地図上にプロットすると、プレート境界に帯状に集中していることがわかります。

とくに沈み込み帯(海溝)では、特徴的な地震の分布が見られます。海溝から大陸側へ向かって、震源の深さがだんだん深く(浅発地震 → 中発地震 → 深発地震)なっていく斜めの帯状の震源域が存在します。これを和達・ベニオフ帯(深発地震面)と呼び、沈み込んでいる冷たい海洋プレートの形状そのものを表しています。

4. 変成作用と変成岩、変成岩の種類

岩石が地下深くに押し込まれたり、マグマの熱にさらされたりすると、溶けることなく(固体のまま)鉱物の種類や組織が変化します。これを変成作用といい、できた岩石を変成岩と呼びます。
変成作用には、熱と圧力の加わり方によって2つの種類があります。

種類 主な原因と環境 代表的な変成岩 特徴的な組織
接触変成作用 高温・低圧
貫入してきたマグマの熱による局所的な変化。
ホルンフェルス(泥岩などから)
結晶質石灰岩/大理石(石灰岩から)
ホルンフェルス組織
(鉱物がモザイク状に固く結びつく)
広域変成作用 広域の温度・高圧
造山帯やプレート沈み込み帯での広大な範囲での変化。
結晶片岩(低温高圧型など)
片麻岩(高温高圧型)
片理(へんり)
薄く剥がれやすい縞模様。
片麻状組織(白黒の粗い縞模様)

5. 【発展】変成岩の分布と変成作用

ミクロ分析するコレクト コレクトの詳細解説:変成帯の対

プレートの沈み込み帯(日本列島など)では、広域変成作用の条件が場所によって大きく異なります。

  • 低温高圧型変成帯:海溝側の沈み込み帯付近。冷たいプレートが沈み込むため温度は低いが、プレート同士が擦れ合う非常に強い圧力がかかります。ここでは藍閃石片岩(青色片岩)などの結晶片岩が形成されます。
  • 高温低圧〜高温高圧型変成帯:大陸側(マグマ溜まりの下部など)。上昇するマグマの熱により高温になります。ここでは片麻岩などが形成されます。

このように、成因の異なる2つの変成帯が平行に並んで分布するものを「変成帯の対(対の変成帯)」と呼び、日本では中央構造線を境に接する「三波川(さんばがわ)変成帯(低温高圧型)」と「領家(りょうけ)変成帯(高温低圧型)」がその典型例として二次試験で頻出です。

ちさまると挑戦! プレート境界と火山島を見極めよう

試験に挑むちさまる ちさまる

「火山が連なっている島」って地図上でよく見るけど、それが「沈み込み帯の島弧」なのか「ホットスポットの海山列」なのかを見分ける問題が、国公立大の二次試験や共通テストの思考問題でよく出るんだ! ポイントは「火山の年齢」だよ!

【例題】火山島と海山列の成因(国公立大 二次試験レベル)

太平洋に存在する火山の連なりについて、次の図式化された列Aと列Bの成因をそれぞれ答えよ。

【列A】 ある細長い海溝に沿って、約 200〜300km 離れた位置に弓状に連なる火山島列。どの火山の岩石を採取しても、生成年代は現在〜数百万年前と比較的若く、年代に一定の規則的な並び(片方に行くほど古いなど)は見られない。

【列B】 海溝とは無関係に直線状に連なる火山島および海山列。列の一方の端で現在も活発な火山活動が見られるが、そこから遠ざかるにつれて岩石の生成年代が規則的に古くなっている。

解答と解説を見る

【解答】
列A:海洋プレートの沈み込みによって生じたマグマから形成された島弧(弧状列島)
列B:マントル深部に固定されたホットスポット上で形成された火山が、プレートの運動によって次々と移動してできた火山島・海山列

【解説】
この「火山の年齢分布」による成因の違いは非常に重要です。
列A(日本列島などの島弧)は、沈み込むプレートから絞り出された水がマントルを溶かし、帯状にマグマが発生し続けるため、どの場所でも現在進行形で火山活動が起きており、年代が一方向に古くなることはありません。
一方、列B(ハワイ-天皇海山列など)は、固定されたマグマの供給源(ホットスポット)の上をプレートがベルトコンベアのように移動するため、「現在活動中の火山」から離れるほど年代が古くなるという明確な規則性が現れます。

マルを出すちさまる ちさまるの総仕上げ! 練習問題

今日学んだプレート境界と変成岩の知識を総動員して、テストに備えよう!

問1(選択・基本)
プレート境界とそこで見られる地形・現象の組み合わせとして、誤っているものを1つ選べ。

  1. 発散境界 ── 大西洋中央海嶺 ── 新しい海洋プレートの生成
  2. 収束境界(沈み込み帯) ── 日本海溝 ── 和達・ベニオフ帯に沿った深発地震
  3. 収束境界(衝突帯) ── ヒマラヤ山脈 ── 活発な火山活動を伴う大山脈の形成
  4. すれ違う境界 ── サンアンドレアス断層 ── プレートの生成も消滅も起こらない

問2(記述・標準)
泥岩がマグマの貫入を受け、高温低圧の条件下で生じた変成岩(A)と、泥岩が広域変成作用を受け、岩石を押しつぶすような強い圧力がかかって生じた、薄く剥がれやすい特徴を持つ変成岩(B)の名称をそれぞれ答えよ。

教壇に立つコレクト コレクトからの挑戦状(国公立大 二次試験レベル)

問3(論述・発展)
大理石(結晶質石灰岩)は、変成岩の一種であるにもかかわらず、片理(縞模様)を持ちません。その理由を、「元になる岩石(原岩)」と「含まれる鉱物」の観点から60字程度で説明しなさい。

練習問題の解答と解説

問1:iii
【解説】ヒマラヤ山脈のような「衝突帯」では、大陸プレート同士が激しく押し合い、分厚い地殻が形成されます。しかし、海洋プレートの沈み込みがない(または既に終わっている)ため、マグマを発生させる水分がマントルに供給されず、火山活動はほとんど起こりません。この「ヒマラヤには火山がない」という事実は入試で頻繁に問われます。

問2:A ホルンフェルス、B 結晶片岩
【解説】接触変成作用(マグマの熱)によって泥岩からできるのは「ホルンフェルス」です。一方、広域変成作用(強い圧力)によって泥岩からでき、片理(薄く剥がれる縞模様)を持つ岩石は「結晶片岩」です。

問3:解答例
原岩である石灰岩が、主に方解石という単一の鉱物から構成されており、圧力がかかっても特定の方向に配列する性質を持たないため。(61字)
【解説】片理(縞模様)ができるためには、黒雲母などの「平べったい形をした鉱物」や「細長い鉱物」が、圧力に対して垂直に並ぶ必要があります。石灰岩の主成分である方解石(炭酸カルシウム)はサイコロや塊のような形状をしているため、どれだけ圧力をかけても縞模様になりにくく、再結晶化してキラキラとしたモザイク状の組織(大理石)になります。