地学基礎⑨:地層の形成と地質構造
ちさまる
崖や切り通しに行くと、地層が綺麗なシマシマ模様になっているのを見かけるよね。
実はあのシマシマ、ただの模様じゃなくて「地球の過去の出来事を記録した分厚い歴史書」なんだ!
2025年の共通テストでも、地層の模様(堆積構造)から「砂がどう動いたか」を読み解く問題が出たらしいよ。今日は名探偵になって、地層から過去の地球の姿を推理してみよう! PON!
1. 地層の形成と「地層累重の法則」
海底や湖底に運ばれた砂や泥は、重力に従ってほぼ水平に、下から順番に積み重なっていきます。このようにしてできた層の集まりを地層(ちそう)と呼びます。
地層が形成される際の大原則が地層累重(るいじゅう)の法則です。
これは「地層が逆転していない限り、下にある地層ほど古く、上にある地層ほど新しい」という、非常にシンプルですが年代測定の基礎となる法則です。(17世紀にステノという学者が提唱しました)。
2. 整合(せいごう)と不整合(ふせいごう)
地層の重なり方には、時間の連続性によって2つのパターンがあります。
コレクトの授業:不整合が語る地殻変動
① 整合(せいごう)
水中で堆積が途切れることなく、連続して地層が積み重なっている関係です。地層の境界面は平行になります。
② 不整合(ふせいごう)
上下の地層の間に、「堆積が行われなかった長い時間の空白(地層の欠け)」がある関係です。不整合面があるということは、その場所で過去に大規模な地殻変動(隆起と沈降)が起きた決定的な証拠となります。このプロセスは入試で頻出です。
- 【不整合ができる5つのステップ】
- 1. 水底で古い地層が堆積する。
- 2. 地殻変動により隆起し、陸地になる。
- 3. 雨や風によって地表が削られる(侵食される)。
- 4. 再び沈降し、水没する。
- 5. 削られたデコボコの面の上に、新しい地層が堆積する。
不整合面のすぐ上には、削られた古い岩石の破片が大きな粒となって転がった基底(きてい)れき岩が堆積することが多く、不整合を見つける重要な目印になります。
3. 岩石の新旧(相対年代の決定)
地層累重の法則や不整合に加えて、岩石や断層の「切る・切られる」の関係性からも、どちらが古いか(新しいか)を判定できます。これを貫入(かんにゅう)の法則などと呼びます。(高卒認定試験や共通テストの基本問題として頻出です)。
- 断層と地層: 地層が断層でズレている場合、「地層ができてから、断層がそれを切った」ことになります。つまり、切られている地層の方が古く、切った断層の方が新しいです。
- マグマの貫入: 地層を突き破ってマグマが入り込み(貫入し)火成岩になった場合、突き破られた地層の方が古く、貫入した火成岩の方が新しいです。
- 捕獲岩(ほかくがん): マグマが上昇する際、周囲の古い岩石を取り込んで固まることがあります。岩石の中に取り込まれた岩片(捕獲岩)は、周りの岩石よりも古いです。
4. 堆積構造と「地層の上下判定」
地殻変動(強い圧縮力など)を受けると、地層は波打つように曲がります(褶曲:しゅうきょく)。褶曲が極端になると、地層がひっくり返って逆転してしまうことがあります。
逆転していると「下にあるほど古い」という法則が使えなくなるため、地層の模様(堆積構造)から「どちらが本来の上だったか」を判定する必要があります。2025年共通テストでも出題された超重要テーマです。
ちさまるの観察ポイント! 4つの堆積構造
① 級化成層(きゅうかせいそう)
乱泥流によって、重い粒が先に沈み、軽い粒が後から沈んでできた層。「下部ほど粒が粗く(れき・砂)、上部ほど粒が細かい(泥)」のが本来の姿です。
② リプルマーク(漣痕:れんこん)
浅い水底で波や水流によってできた「さざ波の跡」。断面を見ると、頂上(山)は尖っており、谷の部分は丸みを帯びているのが特徴です。尖っている方が本来の「上」です。
③ クロスラミナ(斜交葉理:しゃこうようり)★2025年共テ頻出!
水流や風によって砂が運ばれるとき、地層の境界面(層理面)に対して斜めに細かな縞模様(葉理)ができます。
縞模様は、上側では地層の面と斜めにスパッと断ち切られていて、下側では地層の面と滑らかに平行(漸近:ぜんきん)になるのが本来の姿です。
④ 生痕化石(せいこんかせき)
巣穴や足跡など、生き物の活動の痕跡です。例えば貝やゴカイのU字型の巣穴は、開口部が上(当時の海底面)を向いています。
【発展】クロスラミナから「砕屑物の動き方(水流の向き)」を読み解く
2025年の共通テスト地学基礎では、単なる上下判定だけでなく「砂がどちらに動いたか」という物理的プロセスが問われました。
クロスラミナ(斜めの縞模様)は、水流によって運ばれた砂が、水底の小さな出っ張り(リップル)を乗り越え、下流側の斜面を崩れ落ちる(斜面を転がり落ちて積もる)ことで形成されます。
したがって、斜めの縞模様が下がっている方向(傾き下がる方向)が、当時の水流の方向(砂の運ばれた方向)を示しています。
ちさまると挑戦! 地層の歴史と堆積構造
ちさまる
最新の共通テストや高卒認定試験で出題されたパターンの問題をやってみよう! 写真や図を頭の中で想像しながら解いてみてね。PON!
【例題1】堆積構造からの判定(2025年 共通テスト傾向)
ある地層の断面を観察したところ、地層の境界面に対して斜めに交わる細かな縞模様(クロスラミナ)が連続して見られた。この縞模様は、断面の右に向かって斜め下向きに傾いており、下側の境界面には滑らかに接していたが、上側の境界面では斜めのまま鋭く断ち切られていた。
この地層の「上下関係」と、堆積当時の「砕屑物(砂)が運ばれた方向」の組み合わせとして正しいものを1つ選べ。
- 地層は逆転していない。砂は左から右へ運ばれた。
- 地層は逆転していない。砂は右から左へ運ばれた。
- 地層は逆転している。砂は左から右へ運ばれた。
- 地層は逆転している。砂は右から左へ運ばれた。
解答と解説を見る
【解答】 1
【解説】
・上下判定: クロスラミナは「上がスパッと断ち切られ、下が滑らか(平行)に接する」のが正常な向きです。問題文の記述通りなので、この地層は逆転していません。
・砂の運ばれた方向: 砂は水流に乗ってリップル(小さな砂の丘)の斜面を転がり落ちて積もります。したがって、斜めの縞模様が「下がっている方向(傾斜方向)」が水流の向きです。「右に向かって斜め下向きに傾いている」ので、水流は左から右へ流れており、砂もその方向へ運ばれました。
【例題2】地質イベントの順序(共通テスト・高認レベル)
ある崖の断面では、下から順に砂岩層、泥岩層が水平に重なり、これらをマグマの通り道である「岩脈(火成岩)」が垂直に貫いていた。さらに、これらすべての地層と岩脈の上部がデコボコに削られ、その上に基底れき岩を伴う新しい凝灰岩層が水平に堆積していた。
この地域で起きた地質学的な出来事の順番として、最も適当なものを1つ選べ。
- 砂岩・泥岩の堆積 → 岩脈の貫入 → 隆起・侵食 → 沈降・凝灰岩の堆積
- 砂岩・泥岩の堆積 → 隆起・侵食 → 沈降・凝灰岩の堆積 → 岩脈の貫入
- 岩脈の貫入 → 砂岩・泥岩の堆積 → 隆起・侵食 → 沈降・凝灰岩の堆積
- 隆起・侵食 → 砂岩・泥岩の堆積 → 岩脈の貫入 → 沈降・凝灰岩の堆積
解答と解説を見る
【解答】 1
【解説】
貫入の法則と不整合の形成過程を読み解く問題です。
・砂岩と泥岩を岩脈が「貫いている(切っている)」ため、砂岩・泥岩の堆積よりも岩脈の貫入が後(新しい)です。
・その岩脈の頭も一緒に「削られてデコボコになり、基底れき岩が乗っている(不整合面)」ため、岩脈が貫入した後に地盤が隆起して侵食されたことがわかります。
・最後に再び沈降して、一番上の凝灰岩が堆積しました。したがって1が正解です。
ちさまるの総仕上げ! 練習問題
地層の読み取りはパズルみたいで面白いよね! 基本から応用まで、法則を正しく使って解いてみよう!
問1(選択・基本)
地層の上下判定に用いることができないものはどれか。1つ選べ。
- 級化成層
- 不整合面(基底れき岩)
- 断層のズレの向き
- リプルマーク
問2(正誤判定・標準)
次の文章の正誤を判定せよ。
「地層の中に、周辺の岩石とは異なる種類の岩石の破片(捕獲岩)が含まれていた場合、その捕獲岩は、それを取り囲んでいる地層や火成岩よりも新しい時代に形成されたものである。」
コレクトからの挑戦状(国公立大 二次試験レベル)
問3(記述・発展)
地質調査において、「不整合」を発見することは、その地域の過去の歴史を知る上で極めて重要な意味を持つ。不整合面が存在するということは、その場所で過去にどのような地殻変動のプロセスが起きたことを示しているか。「隆起」「侵食」「沈降」という3つの語句をすべて用いて、60字程度で説明せよ。
練習問題の解答と解説
問1:iii
【解説】級化成層、不整合面(基底れき岩は下にある)、リプルマーク、クロスラミナ、生痕化石などは、堆積当時の「上と下」の明確な違いが残るため上下判定に使えます。一方、断層のズレの向きは「後からかかった力の向き」を示すだけであり、地層本来の上下(どちらが古いか)を判定する基準にはなりません。
問2:誤り
【解説】捕獲岩は、マグマが上昇してくる途中で「既にそこにあった古い岩石」を削り取って取り込んだものです。したがって、捕獲岩はそれを取り囲んでいるマグマ(火成岩)よりも古い時代のものです。カレールー(マグマ)の中に入っているジャガイモ(捕獲岩)は、ルーが固まる前から存在していた、とイメージすると分かりやすいです。
問3:解答例
海底で堆積した地層が地殻変動によって隆起して陸上となり、風雨による侵食を受けた後、再び沈降して新たな地層が堆積したこと。(61字)
(別解 58字:古い地層が隆起して陸地となり長期間の侵食を受けた後、再び海底に沈降し、その上に新たな地層が堆積したという過程。)
【解説】不整合が形成される「堆積→隆起→侵食→沈降→堆積」という一連のダイナミックな地殻変動を説明する定番の記述問題です。このプロセスを理解しているかは、二次試験でも非常によく問われます。