ちがくナビ

地学を学べば、世界が見える。

③地球を出入りするエネルギー

不思議に思うちさまる ちさまる

地球は毎日ずっと太陽に照らされているのに、どうして目玉焼きみたいにどんどん熱くならないんだろう?
「温室効果」って、地球温暖化の原因になるから悪いものだと思ってたけど、実は地球にとってなくてはならないものらしいよ。
地球の温度がちょうどよく保たれているヒミツを学ぼう! PON!

1. 太陽から受け取るエネルギー(熱収支)

地球の気候や天気を動かしているエネルギーのほとんどは、太陽からやってきます。
太陽から地球に入ってくるエネルギーを太陽放射といいます。

一方で、地球も宇宙空間に向かって熱を逃がしています。これを地球放射といいます。
長年地球の温度がほぼ一定(平均約15℃)に保たれているのは、「太陽から入ってくるエネルギー」と「地球から出ていくエネルギー」の量が釣り合っているからです。これを熱収支(ねつしゅうし)といいます。

2. 緯度ごとのエネルギー収支

地球全体で見ればエネルギーは釣り合っていますが、場所(緯度)ごとに見ると大きな偏りがあります。

地球の熱を分析するコレクト コレクトの環境解析:熱の偏りと風の誕生
  • 低緯度(赤道付近): 太陽の光を真上から強く受けるため、出ていく熱よりも入ってくる熱の方が多く、エネルギーが余っている状態です。
  • 高緯度(北極・南極付近): 太陽の光が斜めから弱く当たるため、入ってくる熱よりも出ていく熱の方が多く、エネルギーが足りない状態です。

この「熱のアンバランス」を解消するために、地球は空気を動かして、赤道の余った熱を極の方へ運んでいます。これが「風(大気の大循環)」や「海流」が発生する根本的な原因です。

3. 温室効果(おんしつこうか)

地球の大気には、水蒸気二酸化炭素(CO₂)などが含まれています。これらを温室効果ガスと呼びます。

温室効果の良い面(命を守る毛布)

温室効果ガスは、太陽からの光(可視光線)はそのまま通しますが、地球から宇宙へ逃げようとする熱(赤外線)を吸収し、再び地表へ向かってはね返す性質を持っています。まるで地球に毛布をかけたような働きをします。
もし温室効果が全くなかったら、地球の平均気温はマイナス19℃の氷の世界になってしまい、私たちは生きられません。温室効果のおかげで、平均15℃の快適な環境が保たれています。

温室効果の悪い面(地球温暖化)

しかし現在、私たち人間が石油や石炭などの化石燃料を大量に燃やし、森を減らしたことで、大気中の二酸化炭素が急激に増えてしまいました。
毛布が分厚くなりすぎたため、宇宙へ逃げるはずの熱が地球にこもり、平均気温がどんどん上がっています。これが地球温暖化です。
温暖化が進むと、氷河が溶けて海面が上昇したり、異常気象(巨大台風や大干ばつ)が増えたりと、私たちの生活に深刻な影響を及ぼします。

ちさまると挑戦! 確認テスト

試験に挑むちさまる ちさまる

高卒認定試験でも「地球の温度のヒミツ」や「温暖化」の仕組みはとてもよく出るテーマだよ。しっかり確認しておこう!

問1
地球の緯度ごとのエネルギー収支と、大気の動きについて述べた文として、最も適当なものを1つ選べ。

  1. 赤道付近は、太陽から受け取るエネルギーより宇宙へ出ていくエネルギーの方が多いため、常に熱が不足している。
  2. 北極や南極付近は、太陽の光を真上から受けるため、エネルギーが余っている状態である。
  3. 低緯度で余った熱エネルギーは、大気の流れ(風)や海流によって高緯度へと運ばれている。
  4. 地球全体のエネルギー収支は釣り合っていないため、地球の平均気温は昔から常に上がり続けている。

問2
地球の「温室効果」について述べた文として、誤っているものを1つ選べ。

  1. 温室効果ガスには、二酸化炭素(CO₂)や水蒸気などがある。
  2. 温室効果ガスは、地球から宇宙へ逃げようとする熱(赤外線)を吸収し、地表を温める働きがある。
  3. もし地球の大気に温室効果が全くなかったら、地球の平均気温は現在よりも低くなり、氷の世界になってしまう。
  4. 地球温暖化を防ぐためには、大気中の温室効果ガスをゼロにすることが最も望ましい。
解答と解説を見る

問1:iii
【解説】赤道付近(低緯度)は熱が余り、極付近(高緯度)は熱が不足しています。この偏りをなくすために風や海流が生まれ、熱を運んでいます。地球全体のエネルギーの「入る量」と「出る量」はほぼ釣り合っています。

問2:iv
【解説】温室効果ガスは、地球の温度を生命が生きられる適温(約15℃)に保つために「適度な量」が絶対に必要なものです。したがって、ゼロにしてしまうと地球が凍りついてしまうため、ivは誤りです。「増えすぎていること」が問題なのです。